ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2019.08.06

緑のグラデーションを楽しむ青もみじめぐり

京都観光といえば春の桜と秋の紅葉が人気です。もちろん、それぞれに美しいのですが、忘れてはならないのが青もみじ。様々なトーンの緑色が織りなすグラデーションの美しさを愛でるのもまたいいものです。

カエデに包まれるように建つ常寂光寺

JR山陰本線(嵯峨野線)の嵯峨嵐山駅から北西の方角へ歩いて約15分のところに建つ上寂光寺は、京都でも指折りの紅葉の名所として知られますが、青もみじの美しさも格別です。百人一首で知られる小倉山の山腹に抱かれるように建てられており、境内と山の区別もないかのようです。

 

ちなみに小倉百人一首を編纂した藤原定家の山荘・時雨亭はこの常寂光寺の仁王門の北側付近に建てられたという説もあり、境内には時雨亭跡の石碑も見られます。

山門の前に立ってみましょう。山門の墨色と陽射しに輝く青もみじの美しいこと。門の奥をのぞくとまるでトンネルのように大小のカエデの葉が茂っています。風に揺れるカエデの葉に誘われるように奥へ進むと、登場するのは茅葺の仁王門。境内の中で最も古い建物で、脇を固める仁王像はかの運慶の作と伝えられます。目と足腰の病にご利益があると言われていることから奉納されたわらじが並んでいます。

風情ある本堂で参拝を済ませたら、さらに奥へ。多宝塔へ向かいましょう。木々の緑に包まれて建つその姿の麗しさは実際に見てこそのもの。丸い塔身のせいでしょうか、どことなく女性的なものを感じるのです。また、そこからの眺めも秀逸。のどかな嵯峨野を遠くまで見渡すことができ、今どきの言葉で言えばまさに「絶景」が広がります。

 

全国でも唯一という髪の毛の神様へもお参りを

常寂光寺の青もみじを堪能したら、帰りはぜひ足元も眺めてください。山肌を覆う苔も見事。ビロードの絨毯のようで、山肌の起伏に沿って少しずつ風合いを変えるのです。自然の作り出すすてきな風景は、どのような表現をしても足りないようにすら感じられますね。

さて、常寂光寺からトロッコ嵐山駅の方へ向かうと珍しい神社があります。その名も「御髪神社」。髪の神様をまつります。理容師、美容師の参拝はもちろん、髪への悩みのある人やきれいな髪を保ちたい人など様々な人が訪れます。

お守りもかわいいですよ。房がついた「房々守」や、櫛の形をした「御櫛守」など。全国でも唯一という髪の神様の神社です。お土産に受けてもいいですね。

 

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>