ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2019.08.20

京都最古の神社のひとつ・松尾大社は酒の神社


創建年が詳しくわからないほど古くからある神社が京都にはいくつもありますが、西京区にある松尾大社もその一つ。太古の昔に付近に住んでいた人々が松尾山山頂の大岩に神をまつったのがその始まりとされています。

 

土木、建築、酒造など様々な技術もたらした秦氏

5世紀ごろ、松尾の地に秦氏が住むようになります。秦氏は朝鮮半島からの渡来一族で、この地域の神・大山咋神を氏神と信仰し、地域一帯の開拓を始めました。

秦氏は様々な技術をもたらしました。土木・建築の技術に長けていたと伝えられており、桂川上流にある大堰川流域に、川を堰き止めて田畑へと水を引くための葛野大堰(かどのおおい)を造り、付近の農耕を繁栄させたとも。現在の葛野大堰は昭和26年に京都府によって造られたものですが、5世紀後半にすでに秦氏がその原型を作っていたのです。

 

秦氏がもたらしたもう一つの技術に酒造がありました。そこから、秦氏の氏神をまつる松尾大社は酒造りの神様としても崇められることとなりました。室町時代末期には「日本第一酒造神」と信仰されるようになったといい、現在でも全国から蔵元が訪れるそうです。

 

威風堂々とした本殿

松尾山を背後にして建つ本殿を参拝しましょう。その威風堂々とした姿に自ずと手を合わせたくなります。特殊な両流造りは「松尾造り」と呼ばれる固有のもの。直線と唐破風の曲線が見事な調和を見せます。

境内に湧く霊泉・亀の井は延命長寿・蘇りの水とも伝えられ、かつての酒造家たちは酒を作る際の元水にこの水を混ぜたと言います。現在でもご利益を得ようと汲みに来る人も見られますよ。

広い境内には庭園や資料館もあります。昭和を代表する作庭家・重森三玲の遺作となった庭園や日本最古の神像を安置する神像館は必見。さらに、酒造りの技術を紹介する酒の資料館もあります。時間をとって訪れたいものですね。

 

さて、松尾大社を堪能したら、日本酒とともに食事を楽しみましょう。京都のお酒は食中酒に適したお酒が多いのが特徴。すっきりした飲み口で、料理の邪魔をせず、さらにその味を引き立ててくれます。阪急嵐山駅から徒歩約10分のところにある「創作懐石 嵐山 谷口」では、地元京都の日本酒とそれに合う創作料理が多彩に揃っていますよ。

 

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>