ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2019.01.22

動物学者が愛した嵐山のニホンザル

海外からの観光客に人気の場所のひとつが「嵐山モンキーパークいわたやま」。嵐山で猿とは意外ですか?実はここ「嵐山モンキーパークいわたやま」は、ニホンザルにふれあうことだけが目的の場所ではないのです。

サルだけでなく、サルを眺める人間も研究対象だった

嵐山連峰のひとつ岩田山の中腹にある「嵐山モンキーパークいわたやま」は1954年、京都大学が学術研究のため野生のニホンザルを餌付けしたことに始まり、1957年から一般にも公開されました。現在、園内には約170頭のニホンザルが暮らしています。

いまでも観光客にまじって大学生や研究者たちが定期的に訪れ、サルの観察や実習を行っているそう。京都大学大学院の人類進化論研究室のウェブサイト※リンクには、サルを観察するポイントも紹介されています。

観察マナーは「サルにさわらない」「サルに食べ物をあげない、みせない」「サルに近づきすぎない、目をみつめない」の3つだそう。ほどよい距離をとってサルも人間も快適にふれあうことが大切ですね。また頂上の休憩所では有料のエサを購入し、金網ごしにエサやりもできますので、それ以外の食べ物は持ち込まないようにしましょう。

嵐山の野生のニホンザル餌付けの中心となったのが、間 直之助博士(1899-1982)。子供のころから動物と交流し、心を通わせたいと思っていた間博士は「動物との言葉に拠らないコミュニケーション」を生涯にわたって研究されました。博士には言語障害があり、それもまた自身の研究の追い風になったのではと言われています。

比叡山ドライブウェイの夢見ヶ丘には、嵐山と比叡山でサルの餌付けと調査を行った博士を記念する碑があり、そこにはこう記されています。

“ひえいの山のさるを研究して、えさを運びつづけた二十五年、さるになった男に、きょうは花吹雪”

眼下に広がる京都の景色も一見の価値あり

岩田山へは、渡月橋の南から少し上流に行った場所にある櫟谷宗像神社の入り口から山道を登っていきます。麓から15分ほど歩くと「嵐山モンキーパークいわたやま」に到着です。ここから眺める京都の景色の美しさは抜群。比叡山から京都タワー、さらに南まで京都盆地を一望できます。

ちょっと道のりはありますが、冬の清々しい空気包まれた京都を眺め、生き物たちとふれあうのもまた一興。冬の嵐山を感じにいらしてください。

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>