ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2019.03.05

「振り返らずに帰る」十三詣り

みなさんは「十三詣り」という行事、ご存知ですか?関西以外の方には馴染みがないかもしれません。「十三詣り」とは旧暦の3月13日(新暦の4月13日)の前後に数え年13歳の子供たちが行う祝いごとのことです。

嵐山にある虚空蔵法輪寺はそのメッカであり、江戸中期から京都だけでなく広く近畿一円からお参りする人でにぎわってきました。

難波より十三まゐり十三里 もらひにのほる 智恵もさまざま

春になると虚空蔵法輪寺の周辺はにわかに着物姿で参拝する子どもたちとその家族で賑わいます。

四国の室戸岬で記憶力増進の虚空蔵求聞持法を弘法大師空海が修した伝説は有名ですが、法輪寺も智恵授けのご利益で信仰が厚く、数え年で13歳になる男女が3月13日~5月13日の間に参拝をして本堂で祈祷を受け、大人の知恵を授かるという「十三詣り」の風習が京都には根付いています。

法輪寺は渡月橋の南にあり、多くの方は北から橋を渡って寺に詣でます。そして寺で知恵を授かった後に再び渡月橋を渡りますが、橋を渡り始めてから渡りきる前に振り返ってしまうと、せっかく授かった知恵が逃げてしまうとされます。

帰り道でうっかり振り返ってしまわないよう、最後まで気が抜けませんね。

ユーチューバーを目指すならお参りを?

いまどきの子どもたちに「将来なりたい職業は?」と聞くと「ユーチューバー」という答えが少なからず返ってくるそうです。

虚空蔵法輪寺の本堂に至る途中には電気・電波を守護する鎮守の杜「電電宮」が祀られており、電気・電波事業の関係者やIT関係者が詣でる神社としても知られています。ユーチューバーやプログラマーを目指す子どもたちにもご利益あるかもしれません。

またお詣りのあと、法輪寺から徒歩10分にある「創作会席 嵐山 谷口」でお祝膳を囲まれるのはいかがでしょうか。観光地から少し離れた静かな古民家で、非日常な日常の時間をお楽しみください。

そしてお帰りの際、渡月橋を渡って戻られる場合は振り返ってしまわないように十分お気をつけください。

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>