ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2019.06.18

清凉寺の釈迦如来は「生身の仏様」

「嵯峨釈迦堂」として親しまれる嵯峨野の古刹・清凉寺。源氏物語の主人公・光源氏のモデルといわれる、嵯峨天皇の皇子・源融(みなもとのとおる)の別荘・棲霞観(せいかかん:後の棲霞寺)跡に建つ寺院です。お釈迦様の姿そのままと伝わる釈迦如来像をお参りに、出かけてみませんか?

 

平安時代に中国から日本に伝わった像

「嵯峨野の顔」とも称される仁王門をくぐって境内へ。正面に見える堂々とした建物が本堂(釈迦堂)です。こちらに安置されているのが、お釈迦様の生き写しという釈迦如来像。

この像は、奝然(ちょうねん)が中国から日本に持ち帰ったものと言われています。

中国から日本に帰国した奝然は、京都の愛宕山を中国の五台山に見立てて寺院の建立を計画したものの、志半ばで亡くなってしまいます。これを引き継いだ弟子の盛算が、棲霞寺内に清凉寺を創建。その本尊として、奝然が日本に持ち帰った釈迦如来像を祀ったのです。

 

胎内には五臓六腑も収められていた

インドで彫られたものが中国に伝わり、それが日本にもたらされたことから「三国伝来の釈迦像」とも言われる釈迦如来像。37歳のお釈迦様というその姿は、高さ160cmほど、切れ長の目がエキゾチックで、すらりと長い足も特徴です。

また縄目状の頭髪や、両肩を包み込み体に密着するような衣、三段になった裾などもこの仏像独自のもの。鎌倉時代以降、この像をモデルにした「清凉寺式釈迦如来像」が流行し、多くの模像が作られたそうです。

さらに驚くべきことに、昭和28(1953)年に行われた調査で、その胎内から絹製の五臓六腑の模型も見つかりました。まさに「生身(しょうじん)の釈迦」として作られたのです。

そんなご本尊が安置されているのは本堂(釈迦堂)。開扉は、毎月8日の11時以降と、4・5月、10・11月。また4・5月、10・11月には霊宝館も特別公開され、旧棲霞寺阿弥陀堂の本尊である阿弥陀三尊などの貴重な仏像や、釈迦如来像の胎内納入物を見ることができます。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

 

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>