ななつの嵐山WEB MAGAZINE

コラム2018.12.10

嵐山で和むなら「笑顔の石仏」と「天狗の宴」

名高い観光名所として知られる嵐山。歴史に彩られた格調高い文化遺産の数々はもちろん素晴らしいですが、今回のテーマは「ほっこりできる嵐山」。嵐山らしからぬ?ほっこりポイントをご紹介したいと思います。

こちらの口元もほころぶ笑顔、また笑顔

仏様といえば、凛とした静かな表情が思い浮かびますよね。そんな先入観をくつがえしてくれるのが奥嵯峨にある「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」。嵯峨野の最も奥に位置する、知る人ぞ知るこの寺でなんと1200体もの個性的な石仏「阿羅漢様(あらかんさま)」に出会うことができます。

 

このユーモラスな彫刻の数々は、長く廃寺となっていたこの場所を復興しようと、昭和の時代に一般の人たちが彫って奉納したもの。なかには、眼鏡をかけていたり音楽を聴いている阿羅漢様もいれば、天に向かって爆笑している人間味豊かな阿羅漢様も。「ウォーリーを探せ」ならぬ「阿羅漢様を探せ」。ぜひお気に入りの一体、見つけてください。

ちなみに最近「某アメリカ大統領にそっくり」と話題の阿羅漢様もいるとか。

見つけたらなにかご利益が、、、なさそうですね。

愛宕山に古くからあった天狗信仰

この愛宕念仏寺には、もうひとつ「ほっこり」な見どころがあります。それは毎年11月に行われる「天狗の宴(てんぐのさかもり)」。寺はかつて東山にあり、天狗の宴は東山当時から行われていた行事。天狗は「転供」がなまった言葉で、御供物を何人かで順々に回して(転じて)法前に供えることを示しています。現在は天狗伝説が伝わる愛宕山のふもとに寺があるためか、実際に天狗が出てくるのがユニークですね。

あざやかな色の天狗の面をつけた山伏たちが地蔵堂から現れ、「南無千観(なーむせんかん)」と唱えながら本堂の回廊に上がります。そして弓矢で四方と鬼門を射て魔を払うと、本堂の周りを再び「南無千観」と唱え、杓(しゃく)を打ち鳴らしながら一周していきます。

え?怖い?ほっこりじゃない?

大丈夫です。いまでは実際に酒盛をすることはありませんし、天狗の宴の前に行われる「ちびっこ明神太鼓」と合わせて大変面白い行事ですので、機会がありましたら足を延ばしてみて下さい。ご家族連れでも楽しめると思います。

こんな土着の嵐山もまた魅力的なのです。

 

<本文監修>

観光ガイド「京都旅屋」代表   吉村晋弥   プロフィール>